ローマ教皇の逝去と重なる映画『教皇選挙(Conclave)』の感想《ラストを語る》

映画『教皇選挙』を観てきた感想。 話題作

どうも、こんにちは、こんばんは。えさちゃんです!

現在のローマ教皇、フランシスコ教皇が4月21日に亡くなりました。

ローマ教皇が亡くなったというニュースを見た時、少しだけ胸がざわついた。

わたしは、キリスト教についても、教皇選挙についても全然知らないし、あんまり興味もなかったんだけど・・・。これは、今観るべき映画だなと思い立って、『教皇選挙』を観てきました!

皆が同じことを思って、観るに至ったかは分かりませんが、平日の昼間にも関わらず劇場は満員。

教皇選挙 Conclave(2024)

教皇選挙の映画イメージ
https://cclv-movie.jp/

ジャンル ミステリー/サスペンス

監督 エドワード・ベルガー

キャスト レイフ・ファインズ スタンリー・トゥッチ ジョン・リスゴー

アカデミー賞《脚色賞》受賞!

教皇選挙のあらすじ

ローマ教皇の死後、密室に閉じ込められた枢機卿たち。新たな教皇を選ぶコンクラーベが始まるが、誰もが一筋縄ではいかない。

票を巡る静かな戦い、秘められた野心、そしてある《秘密》が、運命を狂わせていく———。

選ばれるのは誰だ?世界を揺るがす一票が、今、投じられる。

教皇選挙の予備知識(カンタンに)

投票で教皇が決まらなければ、黒の煙。決まれば、白の煙があがる!!

わたしは、予備知識なし!前情報一切なし!で鑑賞して、問題なく楽しめたんだけど、鑑賞後に少し調べたので、今から観る人のために、〝知ってたらもっと楽しめる情報〟を簡単にまとめます!

教皇って?

教皇(きょうこう)は、カトリック教会の最高指導者で、ローマ教皇とも呼ばれます。

世界中のカトリック信者の精神的なリーダーであり、バチカン市国のトップ!

カンタンに言うと、〝カトリックのいちばん偉い人〟って感じかな。

宗教的な教えを示したり、世界平和や人権について発言する重要な存在です。

教皇になりたい理由は?

1.信仰への情熱

カトリックの教えを深く信じていて、神と人々に仕えることが使命と思っている人にとっては、教皇はその頂点。世界中の信者を導けるわけだから、大きな意味がある。

2.世界に良い影響を与えたい

教皇には、平和や、貧困、人権についても強い発信力がある。

世界を少しでも良くしたいと考えている人にとっては、教皇になることがその手段の一つになるかもしれない。

3.歴史的・精神的な重み

教皇は2000年近く続いている歴史ある役職で、尊敬される存在。名誉や責任感を感じて目指す人もいる。

とはいえ、枢機卿(すうききょう)たちの投票で選ばれるから、野心だけではなれない。

むしろ、謙虚さや信頼が重視される世界なんです。

教皇選挙はいつどこで行われる?

教皇選挙の厳かに行われる様子

教皇選挙の時期は決まっていません。

開催されるのは、ローマ教皇が亡くなったか辞任した時。

コンクラーベは、教皇の死後15日から20日以内に開催されることが定められています。

コンクラーベが行われるのは、バチカン市国のシスティーナ礼拝堂で行われます。

世界中から枢機卿(各国のカトリック教会の代表や、バチカンで重要な役職を務める人物)が集まるから、とってもグローバルな選挙。

システィーナ礼拝堂はミケランジェロの「最後の審判」が天井画として描かれている、あの超有名な場所!

外界との連絡を一切断たれた空間に篭り、新しい教皇を選ぶのが伝統です。

映画『教皇選挙』でも、その閉ざされた荘厳な空気感がよく出ていました。

ちなみに、京都の陶板名画の庭で、ミケランジェロの「最後の審判」が、ほぼ実寸大で見られます(^_^)

京都府立陶板名画の庭 | 京都ミュージアム探訪
名画の美しさをそのまま忠実に再現し、永く保存できるように造られた世界で初めての絵画庭園。自然の風と光、水と緑にふれあいながら世界の名画を鑑賞する場となっている。水の中で揺らめくモネの「睡蓮・朝」、大きな壁にそびえるミケラ …

教皇選挙 Conclave を観た感想(ネタバレはほぼナシ)

赤い衣装に身を包む枢機卿たち

教皇選挙は重いテーマを扱った映画ですが、ミステリー/サスペンス(エンタメ)として仕上がっていました!

閉ざされた空間の重みと枢機卿たちの人間味

映画の序盤、何より印象的だったのは、システィーナ礼拝堂という密室で行われるコンクラーベの時間の重さ。重い、重苦しすぎて息が詰まる。

システィーナ礼拝堂に閉じ込められ、外界と完全に隔絶された枢機卿たち。

何日かかるか分からない選挙に、皆がそれぞれの信念や野心を抱えて向き合う。

「これは思ったよりもずっとしんどくて、面白いサスペンス映画だ!」と思った。

大画面に映るのは、ほぼおじいちゃん。同じ格好で、しばらく名前と顔が一致しないけれど、名前が呼ばれる度に、アップで映るので心配ご無用。

この映画、音響が良く、小鳥のさえずりや、おじいちゃんたちの息遣いまでハッキリ聞こえる。

始まってすぐは、「隣めっちゃ鼻息うるさいやん!」って思ってしまった。(笑)ごめんなさい。

そしてふと映る、捨てられたタバコの吸い殻の山

神に仕える偉い人たちにも、プレッシャーやストレスがあって、タバコを吸いたくなるような人間くささがある。ポイ捨てしている姿も、この映画は聖職者を描いているのではなく、人間を描いているのだと感じられた。

爆破と投票 静かな心理戦に惹きこまれて

この映画には、派手な演出や劇的な展開はほとんどない。

でも、沈黙の重みや、視線の交差する瞬間にこそ緊張が走る。

枢機卿たちが票を重ねる中、じわじわと浮き上がってくる人間模様や駆け引き。

それはまさに「静かな戦い」だった。

特に印象に残ったのは、自分の名前を書いて投票した瞬間に響く爆発音。

これって、もしかして神が怒ったのか?と思わせられてちょっと鳥肌が。

現実と信仰の境界が揺らぐようなコワさと神聖さが入り混じる。

対比されるヨハネとインノケンティウス

次に印象に残ったのは、教皇名を考えるシーンでした。

あるひとは、「ヨハネ」

もう一方は、「インノケンティウス」

ヨハネは、イエスが最も愛した弟子の一人とされています。そして、熱心で激しい性格だったとも。彼はイエスの母マリアを引き取り、初代教会において重要な役割を果たしました。

インノケンティウスを選んだ理由については、語源を元にしているのかな?と感じました。

「イノセンス/イノセント」=「無垢」「無罪」「無実」「潔白」

彼らが、なぜヨハネとインノケンティウスという教皇名を選んだのかを考えるのも面白いですね。

衝撃のラスト、選ばれたのは誰??(ネタバレなし)

ここでは、選ばれた人物の名前は書きませんので安心してください。

選ばれたのは、教会という超保守的な世界に新しい風を吹かせる人物であった。

これは、逝去された教皇の八手先を読むシナリオの通りだったのでしょうか?まるで、彼の手の中で転がされたような感覚・・・!

選ばれた人物には〝大きな秘密〟がある。

映画のラスト近くで、その事実が明かされたとき、ただのスキャンダルではなく、

神に選ばれるとはどういうことか、というテーマの核心に触れたように思えた。

最後の投票は、こんな誰でも言えるような説教で人の心って動かされるんだって思ったけど、

〝世界平和〟とか、〝飢餓をなくしたい〟とか、そういうありきたりとも言える願いこそ、本心じゃないと人の心に響かないとも思ったし、教皇になるべく人の言葉の力を感じたような気がする。

これはただの〝どんでん返し〟じゃない。

「誰がいちばん神に近い心を持っているか」———そういう問いを、この衝撃のラストは観るものに突きつけてくる。

今風なラストだなあと思ったものの、現代的なテーマが違和感としてではなく、むしろ自然な流れとして描かれていたのが印象的でした。

時代は確実に変わりつつあることを強く感じさせられました。

希望か、分裂の始まりか・・・観終わった後の複雑な余韻

映画を観終わった時、わたしは少しだけ戸惑っていた。

これは希望の物語だったのか?

それとも、分裂の兆しを描いた警告だったのか?

教皇が誰になるかというよりも、これからどんな世界を導くのかという問いの方が、重く心に残った。

あのラストに、希望を感じた人もいるだろう。

でもわたしは、その希望が新たな争いの種にならないかと、少しだけ不安になった。

映画『教皇選挙(Conclave)』を見終えた今、わたしはただ、世界が少しでも優しい未来へ向かうことを、静かに願うばかりだ。

最後に

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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